デジタルサイネージをショールームに利用するメリット・デメリット

公開日:2021/11/01   最終更新日:2023/01/06


デジタルサイネージという言葉を知っていますか?もし聞いたことがなくても、最近では多くの人が街で目にしたことがあるでしょうし、現代のマーケティングでは欠かせないものになってきています。今回は、ショールームにも活用できるデジタルサイネージの解説と、それを利用するメリット・デメリットについて紹介します。

デジタルサイネージとは

まずはデジタルサイネージとは何か?について説明しましょう。

■デジタルサイネージ=電子看板

デジタルサイネージは英語であり表記はDigitalSignageになります。デジタルはご存知のとおり「電子」で、サイネージは「標識・看板」という意味です。つまりデジタルサイネージとは「電子看板」のことです。デジタルサイネージは駅や空港、デパートやオフィスなど多くの人が集まる公共空間に設置され、デジタルテクノロジーを駆使して平面ディスプレイやプロジェクターに映像や文字を表示するシステムです。

主に商業用の広告や販売促進のためのツールとして使用されています。おそらく多くの人が目にしたことがある例としては、渋谷のスクランブル交差点にある巨大な街頭ビジョンや、最近では電車内の上部に設置されたディスプレイなどもデジタルサイネージにあたります。

従来では街頭広告というと紙のポスターや看板がメインでしたが、より多くの情報に触れることができることと、タイムリーであるといった利便性から急速に普及してきているようです。デジタルサイネージはデジタルPOP、電子掲示板、ダイナミックサイネージなど他にもさまざまな呼び名がありますが、単純にサイネージと表現されることも多いです。

■2種類の方式がある

デジタルサイネージは大きく分けてオフライン型・オンライン型の2種類の方式があります。

1つは、コンテンツを保存したUSBメモリなどをサイネージ機器に内蔵のメディアプレーヤーに読み込ませることで映像を映し出す「スタンドアロン型」です。

もう1つは、機器がネットワーク通信機能をもっており、サーバにアップロードしたコンテンツをWi-Fiなどのネットワークを通じて表示させることができる「オンプレミス型」と「クラウド型」を合わせた「ネットワーク通信型」です。

デジタルサイネージは映像を用いてユーザーに効果的に製品やサービスを訴求できるため、ビジュアルマーケティングの一環として多くの企業から注目され市場規模も拡大してきています。ショールームにおいても、イメージビデオを再生したり3D映像や立体的なイメージも表現したりできるので、顧客とのコミュニケーションツールや購買意欲を高めるのに役立っています。

デジタルサイネージでできること

デジタルサイネージでは具体的にはどんなことができるのでしょうか?情報を提供する事業者側の視点から、マーケティングで活用する場合のメリットをお伝えします。

■状況に適した効率的な販促ができる

時間帯、設置場所、人の属性に適した効率的な販促活動ができます。ネットワーク通信機能のあるサイネージであれば、その状況に合わせてリアルタイムでディスプレイの表示内容を変更できるからです。たとえば、店舗看板ならランチタイムやディナータイムで内容を変えたり、タイムセールの告知をしたりするといった使い方もできます。

また設置場所や地域によっては客層にも違いがあるので、それに合わせて内容を柔軟に変えていくことで、より訴求力が高まることが期待できるでしょう。サイネージを多言語対応させることで、訪日外国人に対する案内としても有用です。

■注目を集めやすい

動く広告なので人目を引きつけやすいです。静止画だけでなく動画も流せるうえ、ディスプレイ表示で発色発光に優れているため、目で見てわかりやすく人の注意を引くことができます。音声も出るタイプを使えばより効果が期待できます。サイネージを使えば従来の手書きのものやポスターよりも、ひときわ目立たせることができるでしょう。

■マーケティングデータがとれる

タッチパネル型のサイネージなら、ユーザーによってタッチされたログを記憶できるのでマーケティングデータとして有効活用できます。デジタルサイネージにはタッチパネル式の双方向コミュニケーションタイプがあり、ユーザーとしては自分の知りたい情報を直接探せるので利便性が高いのですが、事業者側としてもデータ採取できるというように双方にメリットがあります。タッチパネル型は駅構内や病院などの案内板としても最適で、ユーザーの案内相談ツールとしての設置もこれから増えていくことが予想されるでしょう。

■コンテンツの差し替えが簡単

従来の看板やポスターにくらべて、内容の差し替えが圧倒的に簡単です。ネットワーク機能を使えば、チェーン店のように複数の場所であっても一括して変更するといったこともできます。

■設置場所を選ばず省スペース

表示範囲の小さいディスプレイであったとしても、コンテンツを順次切り替えることができるので省スペースで済みます。また電源を確保できれば屋内外のあらゆるところに設置できるので便利です。

ショールームを新設するには多額のコストがかかるため、オフィスショールームを検討することもあるかと思いますが、取り扱い製品が大きすぎる場合には展示する場所に困ることがあります。その場合でもオフィスショールームのエントランスにデジタルサイネージを設置することで、スペースの問題の解決と企業のPRを同時に実現することが可能です。

コスト面などのデメリットもあるので注意!

デジタルサイネージのたくさんのメリットを紹介しましたが、当然デメリットもあります。

■まとまった導入費用が必要

デジタルサイネージには、ある程度の初期費用と維持費がかかります。

初期費用や維持費としては次のものが必要です。

・ディスプレイ購入費もしくはレンタル費
・コントローラー
・コンテンツ制作費、更新費
・ネットワーク通信費
・電気代
・メンテナンス代

従来の広告でも初期費用がかかるのは同じですが、通常だと初回の一回だけ払えば終わりだったものが、継続して運営費がかかっていくというのが大きく違う点だといえます。デジタルサイネージを導入する際には、以上のような点をふまえて長期的なコスト計算が必要になるでしょう。

■故障のリスク

人通りの多いところや屋外など、電子機器には過酷な環境に設置することになるので故障のリスクは常にあります。人がぶつかったり倒れたりすることは充分に考えられるうえ、防水や防塵タイプもありますが、雨に濡れる屋外の場合はやはりリスクは高いです。故障した場合の修理費用なども計算に入れておかなくてはいけません。また、ネットワーク通信型の場合、通信環境によって動作が不安定になることもあります。

■電源が必要

電子機器のため、電源がとれるところでないと使うことができません。設置できる場所が限られることになるうえ、もし電源確保ができない場所に設置したということになれば新たに電気配線工事が必要になることもあります。電気を使用するので、電気代も必要になります。

 

ここまでショールームでも使われているデジタルサイネージについて解説しました。導入費用の問題はありますが、それを補って余りあるメリットがあることをお伝えしました。注目を集めやすくなることはもちろん、ネットワーク機能によるタイムリーな広告やマーケティング活用もできるのは魅力ですね。自社PRを考えているようであれば、今回の内容を参考にデジタルサイネージの導入を検討してはいかがでしょうか。

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